牡蠣が食えたら

#牡蠣食えば のサブブログにしました。

牛モモ肉ブロックのコンベクションオーブン焼き

デロンギコンベクションオーブンなるものを買った。コンベクションとは対流のことで、コンベクションオーブンの特徴はファンによる気流で庫内の熱を循環させることで食材に万遍なく熱を加えるのだと言う。

購入したのはデロンギのEO14902J

ファンのついたオーブンは国内メーカーのものでは電子レンジと一体型になった所謂オーブンレンジの上位機種に見られる。このクラスになるとスチーム機能がついたり、容量が大きくなったりして価格的にも7,8万円〜10万円以上のものとなる。

対してこのデロンギのオーブンは電子レンジ機能はなく、オーブン機能に特化している。操作はダイヤル式のみと実にアナログ。最新の電子レンジにあるようなメニューを選べば自動で調理をしてくれるオートモードのようなものはなく至ってシンプル。価格はその分安くamazonで37,000円程度だった。

レンジ機能のないコンベクションオーブンに限って言えば国内メーカーでもツインバードアイリスオーヤマなどから更に低価格のモデルが販売されているが、それらとデロンギとでは実際のところそこまで価格差もないので、こういうときは細かく比較しているよりも早く買って使いたいというのと、一応昔からの販売実績があるということ、あとは見た目と既にキッチンに設置されているエスプレッソメーカーがデロンギなのでこれにした。

初めて買うものはよくわからないので有名なブランドを買っておけば間違いが少ない。ロボット掃除機はルンバ、エアコンはダイキンなど。有名なブランドの良いところは使っている人が多いことです。仮に気に入らなくてもそれが基準になるので次回購入時の参考になる。

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おっ?

ところでこのEO14902Jは発売されて日が浅いこともあってamazonのレビューもないし、ネット上に情報が少ない。ただ前のモデルのEO1490Jはレビューも豊富で評価も概ね良かった。調べる限り先代との違いはガワの意匠くらいだろうと思われたので、新しい方のEO14902Jを購入。

また個人的に気になるのは、トーストの焼け具合。これはネット上に情報があるものの2分していて、「コンベクションオーブンではトーストは焼けない」派と「コンベクションオーブンは美味しくトーストが焼ける」派の意見がそれぞれあった。

家では毎朝トーストを食べていて、と言ってもそんなにこだわりがあるわけでもなく、超熟8枚切りを買ったそばから冷凍して毎朝オーブントースターで解凍〜ちょい焼き程度の焼き加減で食べている。家のトースターは2003年製の象印のもので、もう13年使っているが壊れる気配もなく、本来はいけないが丸ごと水をぶっかけて洗っても乾燥すれば問題なく使用できる優れものなのだが、コンベクションオーブンを買うとなると機能が重複する上にスペースも食うので処分される運命にある。

家には同じく2003年製の500Wの単機能電子レンジがあり、いっそのこと電子レンジとオーブントースターを両方処分してしまって、高機能オーブンレンジを買おうかという選択肢もあった。しかし朝食時を考えるとオーブントースターでパンを焼きながら電子レンジでスープなどを温める機会もあり、どちらか一方しか使えないのは困る。またオーブンレンジのオーブン機能は単体のコンベクションオーブンと比べるとやや劣るか、コンベクションオーブンに匹敵するものでは上位機種になってしまってかなり高額になりサイズも大きすぎる。温め機能のみの単純なターンテーブル型ダイヤルスイッチ式電子レンジの方が、最新のメニューが豊富でボタンが多く液晶ディスプレイ付きの電子レンジよりかえって使いやすい面もある。

毎朝の日課は冷凍した食パンをオーブントースターに入れ、1分加熱、タイマーが切れたらそのままトースターの中で1分程度蒸らすことでちょうど良くしっとり解凍される。カリカリのトーストにはならないが、これが子供に食べさせるのにちょうどいい焼き加減なのだ。オーブントースターを捨てる以上、コンベクションオーブンにもこれができてくれなくては困る。

そのトーストの焼き加減や使い勝手が重要な判断基準であり、情報を求めていたのに見つからなかったので、もういいやと思い、というかピザやパン生地が焼ける火力があるのにトーストができないはずないだろうということで、買ってしまった。

そういうわけで、単機能レンジ+コンベクションオーブンの2台体制となった。

実物が届いてみて、結論から言うとトーストはできる。ただし好みの加減に仕上げるには試行錯誤が必要。でもこれはどの調理器具においても同じことだろう。いまは色んな条件でパンを焼いたり食べたりして焼け具合も見定めている。



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ふむ


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ほう

丸いのはピザを焼くときに使用するピザストーン。これがついているのもデロンギを買った理由の一つでもある。
しかしこのピザストーン、ピザを焼くときには予熱をしておく必要があるのだけれど、熱くなったピザストーンの上に柔らかくて千切れやすくソースと具の乗ったピザ生地をどうやっての乗せればいいのかとても悩ましい。



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設置


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空焼き中



実物が届いたので、とりあえずどんなものかと肉の塊を焼いてみることにした。



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これはオーストラリア産牛モモ肉です。652g


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塩こしょうを振る。


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フライパンで表面を焼いていきます。


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様子です。


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様子。既に美味そう。



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表面に焼き目を付けたのち、オーブンの予熱が間に合わなかったのでアルミホイルに包んで休まれている様子。



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オーブンの中には上段に4cmのトレイ、付け合わせ的な野菜たち(トマト、タマネギ、人参、じゃがいも、パプリカなど)とオリーブオイルを入れ、100℃まで予熱しておく。

写っている温度計はこれ。
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タニタ(TANITA)オーブン用温度計 オーブンサーモ  5493

タニタ(TANITA)オーブン用温度計 オーブンサーモ 5493


温度、タイマーともにアナログなのでそれぞれ別途用意した方がいいとの情報があり、購入。
100℃にするには設定温度220℃で3分程度。温度計を見ていると、100℃設定にしていてもサーモスタットがあるので実際には100℃以下になっている時間が長く、ちょくちょく設定温度をいじり加熱してやる必要がありそう。


肉を入れる。


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今回はコンベクションモード、予熱100℃から設定温度100℃で70分。
しかし40分ほど経過してみると庫内の温度が70℃程度まで下がっていたので、設定温度は140℃まであげサーモのランプを見ながら加熱を繰り返す。庫内の温度がなるべく100℃になるようにする。



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70分経った様子。野菜はまだ若干生か。



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肉はアルミホイルで休ませる。
野菜は生っぽかったので、再度加熱。今度はコンベクションモード、180℃で15分ほど。



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わー
野菜はめっちゃ美味い。野菜だけでグリルにしてもイケると思う。冷蔵庫に余ってる適当な野菜をトレイにぶち込んで、塩とオリーブオイルをかけて焼くだけで美味そう。


さて、野菜を焼いているあいだ休んでいた肉です。


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おー



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おー



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このオーブンで初めて作ったにしてはよくできた。


しかし切るときに肉汁がかなり流れ出てしまったのと、やや熱が通り過ぎている感があるので、次回は加熱時間を少し短く、オーブンから取り出した後の寝かせる時間を長めに取ることで調整したい。

あとパンやピザなんかも作っていきたいですね。



以下、食パンの試行錯誤の様子です。

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サッポロビール「エビス #126」

ごきげんよう。
セブンイレブンでエビス#126という謎のビールを購入。「デュアルスムース」という謎の単語を除いてラベルに味に関する情報が何もない。
スムースと言うかスムーズと言うか迷うときありませんか?

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サッポロはいつもいつも味に関する情報を一切書かないふわっとしたイメージだけを伝えるビールを発売しているがエビスでは初めてなのでは。

一応調べたところによるとエビスビール126周年だとのこと。

http://www.sapporobeer.jp/yebisu/126/


これは果たして。



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オープンthe缶。黄色い液体。見た目は普通のビール。

香りはなし。口に含むがアタックというものが皆無。鼻に抜ける香りもない。酸味、旨味、コク、いずれもなし。

やや苦みがあるがIPAほどではなく、キリンラガービール程度の苦み、かつホップの香りは無なので、味わいとしては苦い水。苦みだけある謎の液体である。リピートはおそらくない。

ごめんあそばせ。

台湾風枝豆

台湾風枝豆という料理がインターネット上に存在し、台湾に実在するのかはまだ知られていません。私は実在です。
今日はインターネットから料理を取り出します。



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枝豆を茹でたものです。いい枝豆ほどハムスターの檻の臭いがしますが、いいハムスターほど枝豆の臭いがするとは限らない。子供の頃実家で飼っていたポチはある日家に帰ると冷たくなってたので庭に埋めました。今考えるとあれは冬眠だったのではないかという思いです。

こいつを炒めます。

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フライパンに、ごま油、ニンニク、鷹の爪、八角を入れ火にかける。



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様子



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枝豆を投入し炒める




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軽く炒めたら醤油を少し入れ、黒胡椒を狂ったように振る。



はい完成
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ニンニクと鷹の爪を入れたオイルを熱したところへなんらかの茹でたモノを和える工程はペペロンチーノとなので、うまいに決まっている。
味ですが、炒めるとは言ってもガワはついたままなので、食べる時は普通の枝豆と同じように豆を押し出す必要があり手がベタベタヌルヌルになり、肝心の中身の豆は普通に茹でた枝豆の味がします。
そのままでも美味しく食える茹で枝豆をわざわざ炒める労力に見合った味なのでしょうか。さあ。労力を払ってください。
反省点は八角の香りが今ひとつだったので、八角を増やす、挽く、油に香りを移す時間を長くするなどの改善点が考えられます。
7月8月で計30日ほど茹でた枝豆を食べるとして、そのうち2日はこれにしてもいいかなという料理です。

トマス・ピンチョン『重力の虹 (上)』 読書感想じゃない文

 眠い。眠すぎる。ここは朝の通勤電車、ポケットに絶対入らないポケット六法よりもさらに一回り大きい本を開き文字を追う。すぐさま襲い来る眠気と疲労との戦い。読んでは戻り、また読んでは戻り、気づいたら寝ている。一向に進まないページ。それは沼地を進む単独行。膝上までどっぷり浸かった脚を持ち上げ、藻掻き、時には伏せたまま(沼に嵌ったときは徒に足掻くのではなく横になる。そうすれば圧力が分散され抜け出すことができると聞いたことがある)進み続けた。最初は2週間の予定だった、さらに2週間延長し4週間、やっと辿り着いた先は。黒、黒、黒からの白。白の訪れ。ロケット。頭の中に残ったものは?

 そもそもは保坂和志が『小説の自由』の中で、

ピンチョンの『重力の虹』は——ただし原文に限るらしいが——三回通読すると、四回目からすべてが鮮やかになって一行目のA screaming comes across the sky. から実際の音が頭の中で鳴り響いてトランス状態になる! という話を聞いたことがある

 と書いていたことがきっかけだった。しかし私は英語はわからないので2014年に出版された翻訳を読んでいる。そしてまだ上巻を読み終わったばかりである。

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)


 トランス状態になる読書体験があるなら是非とも経験してみたいものだが、それには少なくともあと3回は読んで、さらに原文で読まなければ。原文は英語にドイツ語、フランス語、ロシア語で書かれているらしい。アルゼンチン人も登場する。アルゼンチンはスペイン語か? そこまで辿り着けるとは思えない。耐えられる気がしない。耐える? 何に?

 実際の音が頭の中で鳴り響くと聞いてまず連想するのは映画だろう。この小説は映画のようだ、あるいは「映画だ」と評されることも多いらしい。背景の執拗な描写や小道具への言及は映画のセットを思わせるし、光の使い方へのこだわりも映画に通じるところがある。

 しかし映画と小説の違うところは——いまさら言うまでもないことだが——映画は説明なしに幾つもの要素を同時に並列に登場させることができるのに対し、小説は書かれた順番にしか登場しない。舞台は屋内か屋外か、時間は、天気は晴れか雨か、登場人物の数は、彼らの性別や年齢、服装や持ち物、金持ちか貧乏なのか、これらの情報が映像では瞬時にまた無意識に目に飛び込んでくるが(もちろんそこにトリックが使われている場合もあるのだが)、小説では書かれているものしか存在しない。画面に映っているものしか存在しない点では映画も同様に言えるかもしれないが、小説では一つのシーンを描写するのに1ページ使ったとして、1ページ目の最後の行に書かれた要素は1行目を読んでいる時点ではまだ存在しない。映画は最初のカットの最初のコマに既に存在している。
 ここが映画と小説の大きく違うところの一つで、小説では一つのシーンに10ページも20ページも使われたり、後になって同じシーンがまた登場したりするが、書かれていないものは存在しないので読者は20ページ目の要素を1ページ目の時点で頭の中に描写することができない。
 また忘れてはいけないのは小説を読むのには時間がかかるということだ。映像にすれば一瞬の出来事が読書では何倍もの時間がかかる。並列するはずのものに序列が生まれる。
 この「小説は書かれたものしか存在しない」と「存在するまでに時間差がある」の2つの特徴はどの小説にも当てはまることだが、『重力の虹』のように要素が非常に多岐にわたり時間も空間も並列させるような小説ではそれが読者に大きな負担を強いる。脳のメモリがどんどんと食われていく。だから眠くなる。これは仕方がない。脳のメモリは簡単には増やせない。メモリを食わないようにするにはなるべくハードディスクに保存しておくことだ。そのために3回も4回も読む。そんなことできるとは思えないけどね!

 朝の通勤電車では新聞やビジネス書でも読んで仕事モードに頭を切り替えるのがよく訓練された労働者の姿なんだろうが、ここ4週間の私は身体が会社の最寄り駅のホームに降りたとき、脳は完全にベッドの中だった。これがあと4週間続くのだ。