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水滴を捕らえて罠は浮き上がり

文章と写真

軽井沢に向かう新幹線の中で読みかけの小説を開いた。窓の外は霧のようなごく小さい雨粒が降るともなく漂っていた。おそらく到着するまでに読み終えることはできないだろう。本は分厚いし私は本を読むのが遅い。いま読んでいる小説はなかなかやっかいだ。ジャンルは一応ミステリということだが、小説自体が複雑な構造になっている。劇中劇のように小説の中に小説があり、その中にまた小説が入れ子になって何層にもなっているがいまだ全体像が掴めていない。一番外側の小説世界を第一世界とすれば、第一世界の中に登場する小説の世界は第二世界になるが、第二世界で起きた出来事は第一世界では小説として語られるものでもあり、かつ第一世界で"現実に"起こった出来事でもある。そしてその第n世界がいくつまであるのか、いまはまだわからない。いくつもの視座を同時並行的に持ちながら読み進めなければこの小説を理解することはできない。いまのところは。


霧は本格的に濃くなって、新幹線のプラットホームを覆い尽くしていた。霧に囲まれると視界不良になるが、それと同時に見えるようになるものもあった。

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