本棚の10冊と自分を表現する10冊

自分を表現する10冊を選ぶっていうのが流行ってますが、もう10人くらいは見かけましたけどこれ結構面白いですね。なので自分もやってみたいというのがこの記事です。ですがちょっと調べてみるとどうも元々は"#本棚の10冊で自分を表現する"っていうTwitterハッシュタグから始まった流れなのかなと予想してるんですが、いつの間にか"本棚の10冊"からAmazonリンクも活用して"自分を表現する"の方に軸足がシフトしてるなという印象を持ちました。自分を表現するという目的なら本棚の10冊でもAmazonでもいいんだけど、Amazonリンクだけ10冊じゃあどっかのブログのまとめ記事みたいでつまんなくね?やっぱり同じ10冊でも、読もうと思えばすぐに本棚からひっぱり出せる10冊と、世界中にある本の中から自由に選べる10冊とでは違うし、後者は究極的には所有してない本だってあげられるじゃないですか。さすがにそこまでして自分を表現したい人はどうかと思うけど。個人的にはその人が自分の本棚から選んだ10冊の方が興味がある。本棚と言ったけどKindleならKindleでもいいです。あと旅行中の人はしょうがないのでAmazonでいいと思う。実家にはあるけど持ってきてないっていうのは違う。それは切り捨てた本だから。
あとこういうのは無理やりにでも10冊選んだ方が面白い。おまけでもらったレシピ本とか交通安全の教本とか自治体の広報とか、とにかくなんでもいいから本棚に入ってるってことが重要で、ひいてはそれがその人を表現することになると思う。教習所でもらう交通安全教本が本棚に入ってる奴なんて絶対頭おかしいから。

というかこんなんで表現できるのか。本なんて所詮他人の創作物なわけでそれで自分を表現というのもなんだかなあ。私の好きな本10冊ならまあわかるけど。これ結構な数の人にやらせたら同じ10冊を選ぶペアってでてくると思うけど、じゃあその人同士が同じような人かっていうとたぶん違うと思う。
好きなもので自分を表現するといえば、昔あったmixiっていうSNSで好きな歌手のコミュニティに入るのと同じ感覚ですかね。交流しようとかそういう意思は全く無いのに、コミュニティに入ることで自分の嗜好をアピールするとか、主にそういう目的でコミュニティ機能は存在していたように記憶してる。当時、「歩く時は右側」とか、「物忘れが激しい」とかだからなんなのっていうコミュニティがいっぱいあって、それを自分の入ってるコミュニティ一覧に列挙して私はこういう人なんですってプロフィール替わりにしてる人が結構いていまで言う偏愛マップやってましたねmixiは。

私の場合、誰かが10冊選んだことで表現されたその人の人となりには全く興味ないんだけど、自分の好きな本とか知ってる本が挙がってるとその人が選んだ他の本を読んでみようという気になる。それで気になる本があったら"あとで読む"タグを付けてブックマークしている。そういう意味で面白い。

以上。


著者名五十音順
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小説的思考のススメ 「気になる部分」だらけの日本文学 / 阿部公彦

本の読み方の本はいくつもあるが、これは書き手の思考方法で小説を読んでみようという本。一度読んだがまだ全てを理解できてないので時間があったら読み直したい。

ナジャ / アンドレ・ブルトン

アンドレ・ブルトンの自伝的小説、というかまるで日記のような小説。不思議な挿絵と写真を見るだけでも楽しい。シュルレアリスム小説と言われるこの小説は、大学のときシュルレアリスムをテーマにした芸術論の授業で読んだ。

男の作法 / 池波正太郎

書かれた時代を考えれば現在では通用しないところもあるけれど、基本的な考え方は2015年の現在でも衰えない。男だけでなく女も読んでほしい。この本については以前も書いた。

おやすみまでのいくつかの瞬間 / うえむら

イラストレーターうえむら氏の初の画集。Tumblrで漫画を連載していて愛読している。かわいい女の子に意味不明な台詞を言わせてさらに意味不明な背景を合わせる作風がエロティック。たぶんAmazonでは買えない。

孤独のグルメ 新装版 / 久住昌之 谷口ジロー

ドラマ化されてさらに有名になった孤独のグルメ。地元が出ていることから興味を持って、読んだらハマった。ドラマよりもストイックな漫画の井之頭五郎のほうが好み。

都市のイメージ 新装版 / ケヴィン・リンチ

都市のイメージとはその都市に住む人が想像する風景、街の形であり、それは実際の形状、地理とは必ずしも一致しない。近いと思う広場は、遠いと思う教会よりも実際には遠いし、並行だと思っている二つの通りは実際には直交している。それらの都市のイメージには街の成り立ちや、ランドマークが関わっている。
日本語版は丹下健三が翻訳している。

くりーくん / ハグキ

アフタヌーンで連載していたギャグ漫画ハトよめこと「ハトのおよめさん」の作者、ハグキの短編漫画。ハトよめから下ネタと政治ネタを抜いて、ハートフルストーリーを加えるとくりーくん。ネズミとグリズリーとカニが何故か学校の友人で、でも寿命が違いすぎて切ない。全2巻で完結したがもっと続いてほしかった。

手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ) / 穂村弘

短歌に触れるきっかけになった本。高校受験のときに、どこかの過去問で穂村弘の短歌が使われていて、その出典になった本。当時は近所の本屋にも売ってなくて、実際に購入したのは数年後。しかしその過去問で印象に残った短歌がどれなのか、いまも思い出せない。

猫語の教科書 / ポール・ギャリコ

猫好きの作者によって猫の視点で猫の子供向けに書かれた手紙。よく観察してるなあと思う。将来の夢は猫を飼うことなので、いまは妄想している。

ぼくは勉強ができない / 山田詠美

これも高校受験の過去問から。文庫に番外編として収録されている「眠れる分度器」が国語の問題に採用されていた。転校したばかりの主人公が、クラスの雰囲気などわからないまま、学級委員を決める投票でいじめにあっている女の子に投票し、教師までもが「こいつに投票した奴はだれだ」と問い詰める小学校時代の回想シーンから出題されていた。ひでえ教師だなと思って前後の文脈が知りたくなり原典をあたった。あとから知ったが一部性的な単語など原作の表現が削除や改変されている箇所があり、釈然としない気持ちになった。中学生にしては勉強のできる少年だったので「ぼくは勉強ができない」というタイトルにも興味を惹かれた。

以上