牡蠣が食えたら

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仕事が終わっていないのに有給休暇を取る人 ~「効率的に働いて、しっかり休める職場づくり」について~

厚生労働省│都道府県労働局│労働基準監督署

 10月は「年次有給休暇取得促進期間」らしい。私の職場にもポスターが貼ってあった。

 ところでこれは厚生労働省の報道発表時(2016年9月9日)に掲載された資料です。
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出典:厚生労働省ホームページ10月は「年次有給休暇取得促進期間」です |報道発表資料|厚生労働省

 そしてこれは昨年の報道発表時の資料です。
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出典:厚生労働省ホームページ10月は年次有給休暇取得促進期間です |報道発表資料|厚生労働省


「効率的に働いて、しっかり休める職場づくり」
 というコピーが今年は無くなっている。なぜ削除されたのか理由はわからないが、このコピーは無くなって良かったと思う。職場にこんなものが貼ってあると、勘違いしてしまう人もいるかもしれない。

「効率的に働いて、しっかり休める職場づくり」

 というコピーは労働者・被雇用者に向けたメッセージではなく事業主・雇用主に向けたものである。
 事業主は有給取得率100%の職場づくりを進めるべきだが、それはそれとして有給休暇の取得は労働者の権利であるから、このポスターを見たサラリーマン諸君が自身も労働者であるにもかかわらず他の労働者に「仕事が終わっていないのに(効率的に働けていないのに)有給は取るのか」等と言うのは正しくない。

 有給休暇取得は労働者の権利であって仕事が効率的かどうかとは別の問題であり、仕事が非効率であることは有給休暇取得を妨げる理由にはならない。本来、有給休暇の日数を差し引いた残りの日数で業務が回るように効率化するところまでが経営の課題である。

 厚生労働省の資料によると約3分の2の労働者が年次有給休暇の取得にためらいを感じると答え、その理由に「みんなに迷惑がかかると感じるから」などを挙げているという。
 個人レベルの話ではそのような周りのことを必要以上に気にかける人がいるおかげでこちらは有給休暇が取れるし定時で帰ることができるという見方もできるのだけれど、その状態は健全ではないし、自ら進んで損をしている人がいたとしてその人だけが損をしているのならばまだいいが、いずれは労働者全体に跳ね返ってくるだろう。損をしたくなければ仕事が残っていても有給休暇は取りましょう。