牡蠣が食えたら

#牡蠣食えば のサブブログにしました。

ラーメン屋では瓶ビールを飲む

 また〆のラーメンを食ってしまった。

 駅前にそこそこ美味しいラーメン屋ができて、これが深夜までやってるもんだからいけない。何軒もはしごして酒も食事もそれなりに食べているはずなのに、電車に揺られていると忘れてしまうのか。看板が目に入るとつい入ってしまう。
 いや、電車に乗ったから腹が空くというわけではない。電車に乗るまでもなく飲み屋のすぐ近くのラーメン屋に入ることもある。そういう時は大抵誰かと一緒で、〆のラーメンといってもいきなりラーメンを食べない。まずビールを頼むのである。それまでにウィスキーだの焼酎だの日本酒だのと散々飲んできてはいるが、ラーメン屋に入ったらとりあえずビールに戻ってしまう。
 私はラーメン屋で飲むのがそこそこ好きなのだ。


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 〆のラーメンもいいが、一軒目をラーメン屋で飲むというのもまた良い。ビールを飲みながらザーサイやもやしの辛く漬けたのや餃子なんかをつまんでラーメンの出来上がるのを待つ。ほどほどに気分の良くなったところへラーメンが運ばれてきてこれを啜るのが堪らない。どうしてこうも麺類と酒というのは相性がいいのだろう。蕎麦屋で昼から日本酒を飲むのが贅沢だとすれば、ラーメン屋でビールはお金を掛けずにできる贅沢だと言えよう。


 しかしここで気をつけたいのは、ラーメン屋では瓶ビールを頼むということ。
 言い換えれば、ラーメン屋で生ビール*1を頼んではいけない。ということである。

 なぜそうするのかというと、私は過去に何度も失敗していてその経験からそうしている。私は失敗から学びます。どんな失敗かと言えば古くなったビールを飲まされるのである。古くなったビールは酸っぱくて不味い。黒ラベルを頼んだはずなのに、あれ?スーパードライかな?と思うほどだ。

 思うにどんなに売れているラーメン屋であっても生ビールの回転は悪い。居酒屋やバーとは比べるまでもないがおそらくその10分の1から100分の1くらいじゃないだろうか。
 ビールの回転が悪ければ樽の中にビールが長時間残り、古くなっていく。私はそんなビールにいままで何度も遭遇して、時には恥を忍んで交換してもらったこともあったが、そんなビールを飲んだ日にはとてもガッカリした気分になる。

 と、ここまで書いておいてなんだがこれはラーメン屋に限ったことではない。例えば以前立ち寄ったカフェではやはりビールはあまり売れないようでとてつもなく酸っぱいビールが出てきた。私は開店して間もなくの時間に入ったので、おそらくその日で最も古いビールを飲んだ客だ。そのカフェはビートルズのEleanor Rigbyがエンドレスリピートでかかっていて、それを一日中聞かされる店員は気の毒だと思った。


 瓶ビールであればそういった心配がないので、安心して飲むことができる。だから私は瓶ビールが好きだ。
 瓶ビールは懐かしさを感じさせてくれるところがまた良い。私が子供の頃、といってもほんの20年程前の話だが、祖父の家に行くと祖父はよく瓶ビールをコップに注いで飲んでいた。つまみは枝豆とかマグロやタコの刺身だった。枝豆はまだ枝についたままの状態で売られていて、私が学校から帰ると玄関先で祖母が枝をパチン、パチンと切る音が聞こえて私は夏を感じた。

 昔は家庭でも缶ビールより瓶ビールが普及していたのだろうか。瓶ビールの空き瓶は回収された後に洗ってリユースされている。空の瓶ビールを酒屋に持っていくと1本5円とか10円で交換してくれて、子供達は遊ぶ金欲しさに率先して空き瓶回収をしてお小遣いを作った。なんて書くと見てきたようだが、そんな時代には私は生まれていないのでこれはどこかで聞いた話です。

 いまは家庭では殆どが缶ビールだ。缶はゴミとして捨てられるとアルミとスチール*2とに分けられてプレスされてまた資源になる。だからリサイクルされているのだけど、洗うだけでまた使える瓶の方がリサイクルにかかるエネルギーは少ないんじゃないだろうか。


 寿司屋でも天ぷら屋でも鰻屋でもいいが、そういった和食のお店のカウンターにはジョッキに入ったビールがドンと置かれているよりも、瓶ビールと小振りな佐々木硝子のハードストロングが置かれているほうがなんか落ち着くなあと思ったりする。


 この記事の〆はありません。




今週のお題「夏の食事」



タンブラー HS コップ ガラス 6個セット 170ml 01106HS

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*1:生ビールとは加熱処理をしていないビールのことなので厳密には瓶ビールにも生ビールはあるのだが、居酒屋などでは樽からサーバーで出したビールのことを生ビールと呼ぶことが多いのでこの記事では便宜上それらを生ビールとする。

*2:いまでもスチール缶に入ったビールが売られている。