牡蠣が食えたら

#牡蠣食えば のサブブログにしました。

20160527

2016年5月27日20時44分
 腹が減った。
 新入社員がうちの課に配属されるとのことでその教育係をすることに、なったが、しかし考えてみれば私がこの課に異動したとき教育係は付かず一度も教育らしい教育など受けていないので来月から教育係をやれと言われてもまず何から教えればいいのかそれを教えてくれ、もしくは休みをくれ、教育手当をくれ、と言ってみたものの「お前去年も教育係やったじゃん」などと言われてみれば確かにそうだ。そうだがあれは僅か二週間ばかりのお飯事、おままごとって漢字で書けるんですね。教育係とは言っても生徒係の新入社員はうちの課に配属されたのではない、まるで物見遊山、社長会長取締役専務に常務に役員連中が生産現場に工場に査察に来れば高みの見物そんなこんなと変わらぬ現実新入社員が終わった研修そのあとしばらくオージェイティ、お試し期間に幾つかの部署を転々として仕事を体験していた季節、つまり半分はお客様として迎えていたので接待接待また接待、そう接待係をしていたに過ぎないではないですか。「いやいやそんなことはない。君はいつもそうやって自分は何もやっていないと言うのはよした方がいい」何を言っているんですか、そうは言ってもですね、本当に何もしていないのだから仕方がない。仕方がないですよ。あなたが思う以上に何もしていないのはご存知ないでしょう。でもこれは事実。事実は小説より何とやらですよ。会社というのは何もしていなくてもお金をくれる。「そんな会社がありますか」ないよ、ないない。こんな人間の言うことを信じちゃあいけない。だいたい私に一体何を教わろうというのか、教えろというのか、新入社員が可哀想だ、そうは思いませんか! 他に適任がいない? それは全く不幸なことですね、ああ申し訳ない申し訳ない。いまから謝っておきましょう。ハンドル操作ごめんなさい。しかし可哀想だがやれと言われたからにはやるのが仕事、はいそうですはいはいやりますやりましょう。これが理由です。好きでやっているわけではないのです。そこをまずわかってほしい。わかってくれなくてもいい、覚えてくれ。覚えましたか? 好きでやっているわけではないからといって嫌々やっているわけでもない。「えっそんなモチベーションなんですか?」そうだよ悪いけどモチベーションなんて言葉俺が子供の頃にはなかったよ。ないない。ついでにやる気スイッチもなかった。「やる気」と入力したら続けて入力候補に「スイッチ」と出てきたけどやる気スイッチなんて入力したことないよ。やる気!元気!井脇!これはあったかもしれない。まあここまでできれば教育係の仕事もほとんど終わったようなもの。「本当ですか?」そんなわけないでしょう。甘すぎるよ、そうやって簡単に人を信じてはいけない、習いませんでしたか研修で。習ってない。研修で何をしたのか、ビジネスマナー? なんだいそれは。えっ? 名刺を? 交換する方法だって? それじゃあちょいと見しておくれよその名刺交換とやらをさ、え? なになにただいま名刺を切らしておりまして、そんな言葉を一体どこで覚えたんだい、ビジネスマナー研修なんていまどきやってる会社があるんだね珍しいね私にもひとつ受けさせて下さい。「いまさら?」そうだよいまさら、全くいまさらだよ何が研修だ何が教育係だ教える事なんか何もないよ次の三つを除いては、ひとつはパワハラセクハラの相談窓口の電話番号それからサービス残業はするな必ず残業時間をつけること、たまに「新入社員は会社に一銭の利益ももたらさない癖に残業代を貰うな」なんていうクズが、クズがいるかもしれないが会社の利益と君の給料は関係ない、関係ないのさ給料は。だいたいクズは自分の懐が痛むでもないのにそんなことを言う。これは新入社員も10年目の社員も同じである。モノを買ったらお金を払う、働かせたらお金を払うはこれ世の中の常識ナリ、それを忘れちゃあいけない。忘れちゃいけないが、それなら残業するなと残業しないように効率的に働けという人間もいるかもしれない。なんでもかんでも効率的な世の中だよ猫もバケツで水を汲むよコンスタントにアベレージがフリーアドレスなソリューションだよ。しかし、残業はするものでなくさせるもの。つまりマネジメントの問題だよそれは。もうひとつ教育係といってもマネージャーじゃない、マネージャーじゃないというのは管理職ではないし上司でもない、ましてや友達などでは決してない。これは大切なことだからもう一度言う。ただの同僚だからそこは弁えてください。それから休みはちゃんと取ること、辞めたくなったら辞めてくれて構わないけど会社に言うこと、1人採用するのに幾ら掛かったと思ってるんだなんてお前には関係ないし俺にも関係ない。そんなところでどうでしょうか。「さあこの件は君に任せたので」鍋に湯を沸かし饂飩を茹で、氷水に晒して薬味と一緒に皿に盛り、盛った饂飩を食い終わっちまったよ。
2016年5月27日22時21分

チューペット

fktackさんの今日の記事が面白かった。

それで休憩になると大人の集団は段ボールを持ってきて、中には凍らす前の棒アイスが入っていた。棒アイスというのは、凍らせた状態で真ん中で折り、すると折口はビニールがかかっていないからそこに口をつけてすするアイスで、私は正式名称を知らず、昔から棒アイス、と呼んでいたが人によってはポッキンアイスとか、チューベットとか、ちゅーちゅー呼んだりしていた。


fktackさんが棒アイスと呼んでいるそれは他にはポッキンアイスとかチューベットとかちゅーちゅーと呼ばれているそのアイスは私は子供の頃はチューペットと呼んでいた、ソーセージのような直径1.5cmのビニールのジュース入りの筒が真ん中の部分ですぼまっていて凍らせるとアイスキャンデーになるもので、食べるときはパピコのように半解凍の状態で端をパキッと割り、割れた穴から啜って食べた。端を割るのは上手くいかないことがあって、それはヒーロー戦隊ものやセーラームーンの描かれた魚肉ソーセージのフイルムの開けにくさにも似ていた。チューペットは常温ではただの甘いフルーツの香料の味のする液体で、まずくて、そのまま飲みたいとは思わなかった。
 チューペットと呼ばれる菓子、アイスはこの細長い冷凍用のジュース入りのチューブだけでなくて、もっと太いパピコのような形をしながらパピコよりも太いがペットボトルよりは細い、1本でパッケージに入れられて味はコーラやポカリスエットやオレンジジュースのあった、基本的には冷凍して食べるが常温でも食べられていた菓子もチューペットと呼ばれていたが私は買ったことがない。


私は棒アイスは幼い頃は喜んで食べたものだが、少し大きくなると、味や外観に芸がないから、すっかり物足りなくなり、あまり食べなくなった。

 fktackさんの書かれていることは事実だが、子供の私はチューペットを見てもこんなことは考えもせず、しかし大人になったいまの私はここに書かれていることはまったくその通りでいま思い返してみれば至極真っ当なのだが、当時の私はこんなこと考えたこともなかったはずである。幼い頃の記憶なのに現在の大人の視点が持ち込まれているように感じる。
 かといって子供のfktackさんがこれを考えていたはずがない、と言いたいわけではない。ここに書かれていることはリアリティがあって大人の私は確かにこう思うはずなのに記憶を辿ってみたとしても子供の私は考えてもいなかったが、いま思えばむしろ考えないことがおかしいくらいありそうなことで、それが面白い。