牡蠣が食えたら

#牡蠣食えば のサブブログにしました。

「間違えたら謝ろう」はわかっているけど簡単ではない

 中学のときの国語の教師の話をします。わりと入学したばかりの頃、たしか6月くらいだったと思うんだけど日帰りの修学旅行のような行事で東京に行くことがあった。新幹線で。それで駅前の広場に朝の7時に集合することになっていて、俺が着いたのがギリギリで既に学年のほとんど全員が集まっていた。もちろんその時は学年全員の顔なんて知らないからたぶん集まっていたんだろうという記憶でしかないんだけど。それで俺が着いたのがギリギリだったのね、そしたらそれを見つけた国語の教師が「お前!遅刻だぞ!何考えてるんだ!」っていきなり怒鳴りつけるもんだから「えっ?!」って時計を見たらまだ7時ではない。確かに7時ギリギリではあるけど7時ではない。だから「まだ7時じゃないですよ」って言っても「ふざけるな!遅刻だ遅刻!」てもう話にならないというか一度拳を振り上げたもんだから学年全員が見てる手前もうどうしようもない。なんとかしてこの遅刻した生徒が悪いことにしないと自分が収まらないと思ったのかもう認めるものも認められない。いや確かにギリギリはギリギリだけどさ、6時57分とかだったのよ。遅刻じゃないじゃん。俺がたまたま修学旅行だからってんでしてた腕時計がカシオのGショックでもちろん学校には付けていかないけど修学旅行だからしていたカシオのGショックってカシオってつけなくてもGショックはカシオだろ、それと駅前広場の時計どちらも6時57分だったからこれはもう日本中6時57分でしょ。その瞬間「あっ、こいつミスったな」って思うよね、中1だから。こいつミスったなって思ったときの中1はバカだよ。だから中1に勝とうと思ったらわざとちょっとしたミスをしてみたらいいと思うんだけど、でもってこっちも中1だから、いまなら適当にすいませんとかなんとか言ってその場を収めるのも吝かではないけども、もちろんその場合でも「まだ集合時間前ではありますがみんなを待たせてしまったかもしれません」とかは言うかもしれないけど当時は中1だから、自分に非がないと思ったら引かないじゃないですか。あっこれは勝てると思ったら降りないじゃないですかバカだから。そうしたらもう次の台詞は「いま何時ですか?」しかないよね。すると国語の教師も「6時57分です」とは言えないよねさすがに。言ったら確定しちゃうから。負けが。そこで勝ち負けが出てくるのが本当にバカだと思うんだけど。そこは教師だから、やっぱり子供の扱いに慣れてるというか、ちゃんと勝ち負けを確定させない。悪く言えば負けを認めない。苦し紛れに出てきたのが「5分前行動なら遅刻だ!」でした。

 仕事相手と13時に自分の会社で会う約束してるとします。そこで12時50分とか55分に来るやつなんなの?もっと酷いやつだと12時40分に来るやつもいるけどなんなの?こっちはまだ昼飯食って席に戻ってからネットしたり新聞読んだり小説読んだり昼寝したり歯磨いたりボーっとしたりしてるんだよ。あるいはなにもしてないんだよ。なにもしてないをしてるんだよ。早けりゃいいってもんじゃないだろ。遅刻したくないのはわかる。だからって早くくるなよ。早く着いたならその辺うろうろしてろ。まだ来るな。早く来てますアピールすんじゃねえ。時間潰せ。時間潰して13時00分30秒に来い。俺はお前と13時に約束したんであって12時55分に約束したわけじゃない。5分前はまだお前の時間じゃない。13時からがお前の時間だ。

 個人的に5分前行動をポリシーにするのは構わないんですけどそれは自分ルールであって他人には他人のルールがある。他人は5分前行動をしているとは限らないわけでそこには集合時間の7時しかないにもかかわらず遅刻だ!と言ってしまったのはまあミスなわけで。だから今回は完全に国語教師のミスなんですけど、じゃあ例えば学校で全校生徒に普段から5分前行動を心がけましょうって言われてたとする。6月の学級目標は「5分前行動をする」だったとします。だとしたらどうでしょう。クラスとしてはやっぱり5分前行動がよしとされていることになります。例え修学旅行の前日に、集合時間は7時です。と言われていたとしても、私が学級目標にコミットするかしないかは別としても、そのクラスの一員である以上、5分前行動をすることが5分前行動をしないよりもいいbehaviorであると認められた社会がそこにある。事実私を除いた多くの生徒達は5分前行動をしてそこに集合しているのです。さあ、6時57分に登場した少年は悪いのでしょうか悪くないのでしょうか。色々な考え方はあるにせよ、5分前行動してほしかったという教師の気持ちもわからないでもない(実際にはそんな学級目標など無かったけどもしもの話として)。でもそこで始めから「遅刻だ!ふざけるな!」と言う必要はあったでしょうか。「ギリギリですよ、もう少しで遅刻になったかもしれないですよ」というやり方もあったんじゃねえかと思うのです。少年は5分前行動を破るつもりは別になかったのです。学級目標を知らなかったのかもしれません。知らなかったことはもしかしたら褒められるべきことではないかもしれません。しかし、いきなり殴りかかられるほどのことでしょうか。殴らなければ「そうですね、気をつけます」で済んだかもしれない。「えっ、いま何時ですか?」「・・・・・・間に合ったからいいものの5分前行動なら遅刻だ!」「5分前行動じゃないし遅刻じゃねえよ」とはならなかっただろう。だからいきなり強く殴りかかるのはやめようという話なのだけど、人間だから間違えて殴りかかることもあるだろう。いや殴りかかるのはあってはいけないけど、間違えて「お前は遅刻だ!」と弾劾断罪糾弾河岸段丘することはあり得る、私も貴方もあり得るのだから、間違えたときは素直に謝ろう。「えっ、いま何時ですか?」「ん?ああまだ57分だったな。すまない」と謝ろう。そういう大人に私はなりたい。そして知らずに、あるいは不注意で人を怒らせてしまったら、素直に謝れる人になりたい。と思ったのでした。

 けれどこのように思っている私であっても、頭ごなしに殴られたら、咄嗟に身構えてしまうし、自分に理があると思えば素直に謝れる自信が無い。相手の言い分を良く聞けば相手に理があるようなことであっても、咄嗟に受け入れることは難しい。それは頭ごなしに殴ってくるやつを条件反射的に受け入れていたらそいつは増長し毎日殴ってくるようになることを経験的にわかっているから。人間は自分の身を守るようにできている生き物だから、いきなり殴りかかられれば反射的に防御はするし反撃もする。だからヒトを簡単に殴ってはいけないのだけれど、ヒトは謝ることもできる、ということを思い出したい。

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SSK こだわり果実 白桃 四つ割り 295g

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いつでもお待ちしております。

お散歩GO

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観賞魚お買い得パック


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おばちゃん専用駐車場


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デカい


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新着商品情報


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18禁コーナー


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物騒


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犬のブラッシング禁止


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行き止まり


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行き止まり②


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ここを押してください


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鼻カメラ


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熱闘甲子園


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リアル派


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民間のコンクリートポンプ車


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日蝕


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ラジオ体操は衛星放送ではない


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あっ!



またお会いしましょう

我が家にはKindle paperwhiteが2台あり

 我が家にはKindle paperwhiteが2台あり古い方は元々私が使っていたものだが新しいKindleを買ったので妻にあげたが、妻はそれまでも私のKindleをちょくちょく使って私のアカウントで電子書籍を購入するなどしていたのでアカウントは変えずに引き続き私のアカウントで使用しているから、いまでも妻がKindle端末上から電子書籍をワンクリック購入(Kindleからはワンクリック購入しかできない!)すると私宛に請求がくる。それとは全く関係なく、妻は妻でAmazonのアカウントを持っており彼女はAmazonプライム会員である。なぜKindleのアカウントを変更しないのかは、ライブラリに残った購入済みの本たちが読めなくなってしまうからなのだが、ところでAmazonプライムにはプライムビデオという制度があり映画やドラマが見放題でとても素晴らしいと思う(個人の感想です)。同じようなサービスはHuluやNetflix(フールーもネットフリックスも綴りを知らなかったのにiPhoneの予測変換が変換してくれた)などがあるが、Amazonプライムお急ぎ便無料の基本サービスが受けられる上にさらにビデオが見放題であり、お急ぎ便をよく使うアマジャンキーにとっては実質無料であるのだ。私はプライムビデオが始まったという情報を聞きつけた私は妻のアカウントでプライムビデオを見たかったのだが、妻はプライムビデオには一切興味がなく、私は興味があったので私は私で私のアカウントでAmazonプライムに登録した。かくして一つ屋根の下にAmazonプライム会員が2人生活することになったのです。

 Amazonプライムビデオはなにが素晴らしいってビデオが無料で見放題なのだけど、無料であることをいいことに人間易々と堕落してしまうもので、つまみ食いをしてしまう。ちょっと再生してつまらなければ消してまた次の動画を再生してを繰り返して、そんなアダルトビデオのサンプル動画みたいなことをやっていてはダメだなあと自省しています。私が子供の頃は映画館でもレンタルビデオでも一度見始めた映画はたとえつまらないかな?と思っても最後までちゃんと見たもので、2、3分見ていいの悪いのつまるつまらないの評価はしなかった。いい時代になったものだ。

「シン・ゴジラ」極上爆音上映日本語字幕版を見た

シン・ゴジラ」を立川シネマシティの極上爆音上映で見てきました。なお日本語字幕付き。

映画自体は既にIMAXで2回見ているため、今回は3回目の視聴となります。


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感想は、期待していた爆音については正直そこまでではなかった。というのも通常上映で見ていないため比較対象がIMAXしかないからかもしれない。逆に言えばIMAXと比較しても遜色ない、音量音圧ともに十分迫力があり音質もクリアで非常によい。ただしスクリーンサイズの問題もありIMAXが見られるならIMAXに越したことはない。



また今回は日本語字幕付きという特殊なスタイルだった。これは2回目以降の視聴で台詞を確認したかったりする場合にはいいが、初見にはオススメしない。
やはり初見ではテロップがバンバン流れてとても読みきれないあの感じを体験してほしい。


総合的にはスクリーンサイズで勝るIMAXに軍配。通常のスクリーンではどうしても「ゴジラの映像を見ている」印象が強いに対して、IMAXの巨大スクリーンを前にするとあたかもそこにゴジラがいるかのような錯覚さえ覚える。特にこの映画はグラウンドレベルからゴジラを見上げるようなシーンが多く、そういったシーンでは巨大スクリーンの迫力とリアリティがより強く感じられる。


ちなみにIMAXの上映は8/10で終了してしまいましたが、再び8/25から9/9まで各地のIMAXシアターで上映されるそうですのでまだ見ていないという人はIMAXで是非。
8/25まで待てない人は爆音上映か4DXに行くといいでしょう。

近況

そろそろ1歳半になる息子はかなり言葉を喋るようになった。発音はまだまだ完璧ではないものの、だいたい何を言っているかはわかるし、こちらの話すこともかなり伝わっている様子がわかる。

単語でいうと50語くらいは話せるだろうか。その中身はやはり彼の身の回りにあるものや、絵本の中などに登場するものが中心となる。
例えば食べ物関係。

  • おちゃ(お茶の入ったマグ、ペットボトル)
  • あなな(バナナ)
  • いかん、いかくん(みかん)
  • いんご(りんご)
  • なし(梨)
  • もも(桃)
  • いか(スイカ)
  • パン(パン)
  • まめ、あめ(豆)

など。食後のデザートにフルーツを要求するように話す。

他には、

  • でんしゃ、でしゃ(電車)
  • はあちゅう(バス)
  • こーき(飛行機)

などの乗り物関係。電車にはかなり興味を惹かれるようで、家の近くに線路があるのだが、電車を見せに行くと「でんしゃ!」と言って喜ぶ。鉄道博物館に連れて行ったら、古い車両の実物が展示されて中に乗れるようになっており、中に入ろうとしたら泣いて嫌がった。隣に展示されていたNゲージにはとても喜んでいた。実物はまだ大きすぎて把握しきれないのかもしれない。

動物関係では、

  • ぞう、ぞうさん(象さん)
  • らいおん、あいおん(ライオン)
  • うま(熊)
  • うま(馬)

など。とりわけ象の識別能力は高く、写真の象や写実的な絵から抽象的なイラストまで象と認識するので驚く。象の絵には灰色、水色、黄色など様々な色をしたものがあり、他の動物との区別が難しいと思うのだが。

他には、

  • ワンワン(犬)
  • ニャーニャー(猫)
  • ブーブー(車輪のついた乗り物、または豚)
  • ジャー(水道、シャワー)

などの擬声語、擬音語、擬態語も使う。どうして犬はイヌでなくワンワンになってしまうのか。

形容詞など状態を表す言葉や、動作を表す言葉では、

  • おーし、おいしー(美味しい)
  • あち、あっちっち(暑い、熱い)
  • じょーず(上手)
  • だーじょーぶ(大丈夫)
  • しゅっぱつ(出発)
  • いく(行く)
  • バイバイ(バイバイ)
  • タッチ(手でタッチする)

などもよく話している。「じょーず」は褒めてもらいたいとき、「だーじょーぶ」は転けたときに自ら言っている。転ぶと周りの大人から「大丈夫?」と声を掛けられるので、転んだら大丈夫と言うとインプットされてしまったのだろう。

それから最近特に多いのは、

  • イヤダ、ヤダ(嫌だ)

である。これも本心から拒否している場合もあれば、口癖のようになってしまっている面もある。「ハイ!」という返事ももちろん言うが、最近はイヤダが多い。特に困ってはいない。

さらに最近では単語プラス「〜する」からなる二語文を使うようになった。

  • ジャーする(水道で手を洗う)
  • パンする(パンをくれ)

など。

親が話している言葉もすぐに真似して発音するなど、習得能力の高さに驚く。
そのうちもっと言葉を使うようになって、会話ができるようになると思うと楽しみである。

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ」よくて、2回目も見に行ったら2回目もよかった。やっぱり一番好きなシーンは蒲田で見せた初上陸時のあの顔。道路の奥に正面から見えるあの顔を初めて見たとき気持ち悪くて怖かったけどなんだか笑ってしまった。あの顔を見にもう一度映画館に行きたい。
1回目に把握しきれなかったテロップなどをしっかり見ようと思ったのだけれど2回目もすべては読みきれなかった上に、赤坂五丁目駅や東京駅の常盤橋プロジェクトなど見落していたものにも新たに気がついた。1秒あたりの情報量が凄くて何度も見ないと頭に入らない。

まず登場人物多すぎて人の名前が覚えられない。主人公の秘書的立場の男の名前が志村というんだけど、かなり初めの方で御用学者達が帰ったあと主人公が志村に、
「志村!誰でもいいから詳しいやついないか」
とか聞くシーンがあって、その後尾頭課長役の市川実日子が呼ばれるのだが、その後一度も志村の名前が呼ばれることがなくテロップも出ないので上映中ずっと志村の名前が思い出せなかった。

職場でも先週まではシン・ゴジラを見た人が殆どいなかったのに、この週末明けたら普段は映画を見ないという人まで含めてかなりの人数が見に行っていて、これは凄いことだぞと思った。

ポケモンGO

日本でリリースされた7月22日に初めて、いまレベル17、図鑑は57種類になった。通勤中と移動中の電車内くらいでしかできないので、大きな公園なども行っていない。
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このゲームは自分から積極的にやることがあまりなくて、ポケモンはいつ出てくるのかわからないし、捕まえるのも運だし、ポケストップもアイテムが出てくるだけで個性がない。ingressのポータルみたいにリンクを張ったりしないので移動する必要があまりない。ジム戦もレベルが低いうちは出番がないし、勝ってもすぐに奪われてしまうし、奪ったところで何かあるというわけでもない。一応1日防衛するとコインが貰えるらしいけれど、コインで買えるのもルアーとかたまごなのであまり必要ない。勢力が赤青黄と3つあるらしいけれど、どれが優勢かわからないしそもそもなにを競っているのかも不明。なんでやってるのか自分でもわからないけれど、おそらく自分の場合はただの懐古趣味で、このゲームがポケモンじゃなかったり、ポケモンでも最近の新しいポケモンだったらやっていなかったと思う。最近のポケモントヨタの車名みたいなやつしか知らないし500種類くらいいるらしくそれを捕まえろって言われて出てくるポケモンみんな知らないポケモンだったらもっと早く飽きていた気がする。鳴き声もできればゲームボーイのサウンドを再現してほしかった。
もちろん知らないから楽しいという人もいるだろう。会社でも60過ぎの嘱託の爺さん2人がリリースした次の月曜に会話しているのを聞いた。ゼニガメを神奈川とか茅ヶ崎のイントネーションで発音していたのでたぶんポケモン知らない人だ。
しかしこんな100面体のサイコロを振って出た目のマスを塗り、100マス塗れるまでひたすら振り続けるようなゲームなにが楽しくてやってるんだろうな。自分も含めて。
あと最近ポケモンGOアップデートしてからモンスターボールの初球スーパー遠投することないですか?最近はあれ見たさにやってる。

「シン・ゴジラ」感想

シン・ゴジラ」見た。よかった。

とりあえず総監督庵野秀明に期待して見に行った人は満足するから見た方がいい。あとはネタバレ。


ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ



個人的には昨年12月のスターウォーズ エピソードVII公開時に「シン・ゴジラ」の特報を見て、またクローバーフィールドみたいな映画でも作るのかなあ・・など特に気にかけていなかったのだが、公開日の7月29日になって公開された事を知った。監督が庵野秀明だということもそれまで知らなかった。そしてクローバーフィールドのような映画ではなかった。そりゃあゴジラなんだからゴジラ映してなんぼだよな。

怪獣映画や特撮映画は普段は見ないので最近の特撮映画というのは知らないけれど、特撮イコール模型、派手なCG・VFX、チープな映像というイメージ(何十年前のイメージなんだ)を勝手に持っていたがそんなことは全くなかった。

短いカットが速いテンポで繋がれて、早口のセリフに濃密な背景とギュッと凝縮された過剰な情報量が観客の処理能力を凌駕する。画面に配置された要素を噛み締めている余裕はない。では観客は映画に置いていかれるかといえばそうではなく、テンポに乗せられ、否応なしに興奮させられる。
特撮ファンはもちろん、特撮と相性のいい軍事オタク向けでもあり、政治ネタあり、巨大建造物マニアや高層ビルマニア、地図オタクや地形フリーク、鉄道オタク、外交オタク、石原さとみファンなど幅広い層にウケるだろうことは間違いなく、とにかく情報量が多いのでこれはブルーレイが出たら売れるだろう。買いたい。

さんざん言われているだろうけど、戦闘シーンはエヴァンゲリオンを嫌でも連想させられる。作戦名はもちろん、日本中の電力を集めたヤシマ作戦に対して日本中から凍結液を集めたヤシオリ作戦という構図など。市民の避難・疎開のシーンなどもエヴァっぽい。エヴァンゲリヲン新劇場版 序 豪華実写版といった雰囲気。ただしエヴァには使徒に対する明確なヒーロー:エヴァもしくは碇シンジがいるのに対し、シン・ゴジラにはヒーローはいない。ゴジラに対峙するのはあくまで組織である。コアをポジトロンライフルでぶち抜いてミサトさんが「よっしゃあ!」という演出はなく、ビルの下敷きになったゴジラの口にポンプ車と巨大送水管で血液凝固剤なる液体を流し込む地道で地味で危険な作業。
登場人物の家族が登場せず人間味が描かれていないという指摘を見かけるが、それはゴジラと戦ったのは特定のある人物ではなく組織であり日本政府であるから、それを表現するために描く必要はなかった。もちろん描かれていないところで家族がそれぞれの人生があるにせよ、映画が冗長になるのを避けるため、余分なものを削ぎ落としたのは結果として成功している。

ネットで感想を読んでいると「シン・ゴジラは子供向けではない」と「子供も楽しめる映画だ」とそれぞれ意見がある。どちらも間違いでははいのだろうけれど、子供向けかどうかではなく、単なる個人の向き不向きではないかと思う。
子供の頃、これは子供向け映画だと言われていたものがクソつまらない映画で、むしろ古典と呼ばれるような古い映画を楽しんでいたなんて経験は少なくない人にあるだろうに、どうして大人になると忘れてしまうのか。
ちなみに「シン・ゴジラ」のレーティングは全年齢対象だ。グロテスクなシーンもないし、石原さとみの唇がエロいことを除けば性的なシーンもない、お茶の間で食卓を囲みながら家族で見ることができる、所謂安心して子供に見せられる映画だ。大規模な破壊行為に性的衝動を覚える人のことは知らない。子供の頃怪獣映画は一切興味なかったが、もし子供の自分がこれを見たら絶対面白いと思っただろう。

唯一グロテスクなシーンだったのは冒頭のゴジラ初上陸のあとに、ゴジラの体液のような赤い液体だか物体がズリュッと落ちてくるところくらいで、あとは本当に徹底的に抑えられていた。安易にグロに頼らないところは良い。

死の描写もほとんどない。人は沢山死ぬ。たしか何万という人が死ぬんだけど、目の前で人が死ぬシーンが確かなかったと思う。凍結作戦第一班の特殊車両が吹き飛ばされたり、米軍の戦闘機が撃墜されたり、政府首脳が乗るヘリがゴジラの光線に焼かれたりはする。しかしそれらはすべて乗り物が破壊されるシーンであり、情報として人が沢山死んだことはわかるのだけど、それだけでしかない。それは一般市民も変わらない。人は沢山死ぬが、目の前で人が苦しんだり死んだりしない。一般市民もっとも死に近かったのは、初上陸時のゴジラがよじ登ったマンションの中にいた逃げ遅れた住民じゃないだろうか。彼等にしても死んだのか助かったのかまではわからない。基本的に死んだ人間は数として扱われ、徹底的に死の要素や個別性は排除されていた。一方でヤシオリ作戦部隊を前にした矢口の演説は熱くなった。

映像は迫力があったし、実際の東京の街並みが破壊されていく様子は見応えがあり面白い。ただしショッキングではなかった。見るものを恐怖に慄かせるという映像ではなかった気がする。東日本大震災とその後の津波によって被災した人が見ればまた違うのかもしれない。私は当時その場にいなかったので、それはわからない。「シン・ゴジラ」を見て震災の記憶が蘇ることもなかった。

ネットではゴジラの上陸を震災と津波、またはゴジラ福島第一原発になぞらえた感想や考察をよく見かける。確かに3.11以降に大規模災害を描く映画を撮るにあたってはそれらは避けては通れないテーマであり、製作者も当然意識はしているだろう。
「生物だから、止めることができる」
という台詞も、裏返せば地震津波は止めることができないということを表している。
それでもやはりゴジラゴジラとして、巨大不明生物として映画に描かれている通りに鑑賞したい。この映画は巨大不明生物の襲来に対応する日本政府の物語だ。巨大不明生物は津波でもメルトダウンでもない。大規模災害だからといってなんでも東日本大震災に安易に結びつけてしまうのは見方を狭めることになる。
一方でゴジラ初上陸翌日の「平穏を取り戻した日本社会」のシーンには若干の違和感があった。あれはどんな災害が起ころうとも社会は止められないし明日からも続いていくことを描いている。しかし津波地震ならわかるけれど巨大不明生物でも果たしてそうかな? 地震津波は被害は甚大でも現象としては理解されている。ところが巨大不明生物は人間の理解や科学の常識を超えている。それを前にしても翌日から同じように仕事をして、生活していけるのだろうか。この映画は政府サイドから描いているが一般市民にはまだそこまでの情報は広まっていないのかもしれない。

シン・ゴジラ」の世界では過去のゴジラ作品はすべてなかったことになっている。現実のゴジラ襲来がなかったことになっているのは当然としても、フィクションとしての映画「ゴジラ」という作品も存在しなかった世界であり、そこはあれ? と思った。例えば今日日本にあの巨大生命体が現れたら、まずネット上で「あれゴジラじゃね?」「ゴジラ襲来!!」と話題になるはずだし、この映画もそういうものかと思って見ていたら違った。だって、映画ゴジラなしに政府があの生命体見てゴジラって名付ける? 初代ゴジラはどうだったんだっけ。政府がゴジラと名付けるためには過去のゴジラ作品は存在しないことにしないといけなかったんだろうけど。石原さとみGodzillaが聞けたからいいか。

あといくつか気になったことは、結局ゴジラはどこを目指していたのか。ゴジラは移動していただけで、攻撃されたから反撃しただけではないか。都知事はどうなったのか。などがあり、上映中にもう一度見に行きたい。その前にゴジラ第1作目と「日本のいちばん長い日」を見ておきたい。IMAXで見たから、2回目は4DXでみようかどうか悩んでいる。

そのほか「シン・ゴジラ」を見た人が無人新幹線爆弾!や無人在来線爆弾!やグラントウキョウ爆破倒壊作戦や大損害の三菱地所と無傷の森ビル(そういえば「巨神兵東京に現る」では森ビルと三菱地所ビルマネジメントが協力としてクレジットされていた。今回の映画ではエンドロールには見つけられなかった。見落としかもしれない)、黄色いゴジラ第一形態の顔、口から凍結液を管で注入されている時のゴジラの顔、復興したら東京駅の名称は東京(ゴジラ前)駅になるだろうなあ・・、などについてどんな感想をもったのか知りたい。


シン・エヴァンゲリヲンがまた楽しみになった。



今週のお題「映画の夏」