牡蠣が食えたら

#牡蠣食えば のサブブログにしました。

ガッキーのドラマ

逃げるは恥だが役に立つ 第1話|TBS FREE by TBSオンデマンド(無料動画)|TBSテレビ
 最近はテレビを見る人がそもそも少ないこともあって、リアルの友人関係や職場で「同じ番組の感想を語り合う」状況が発生することが滅多になく、まず同じ番組を見ている人が見つからないしなぜかテレビの話が躊躇われているような風潮もあって、どちらかというと「うちテレビないんですよー」みたいな謎のアピールをする人が多いもんだからとにかく同じテレビ番組の話をリアルワールドでやった記憶がない。多分その状況はワールドカップ決勝トーナメント出場をかけたグループリーグ最終戦、キックオフは日本時間夜9時(放送開始は8時)実況はわたくしジョン・カビラがお送りします。の翌日くらいしか発生しないんじゃないかな。

 その点インターネットは凄くて毎日毎日色んな人が色んなテレビの感想を書いたり読んだりしている。テレビの話をしたけりゃとりあえずインターネットしろみたいな状況になっている。私も趣味でインターネットをやっているので、ブログっていう個人が日記を書いたりそれを別の個人が読んだりするジャンルのホームページを定期巡回してたまにキリ番のイラストをもらったりするんですが、そこで今放送中の「逃げるは恥だが役に立つ」というTBSのドラマがなんか話題になっていたので、ほーっと、へーっと読んでいたら無性にそのドラマが見たくなってきた。すると検索したらTBSのサイトで放送終了後7日間は無料で見られるじゃないですか。ラッキー! ガッキー*1かわいい! って、どうせほっといたらyoutubeに違法アップロードされるからそれならいっそ公式でやってしまおうということなのか、次回以降の視聴率獲得のための宣伝なのか知らないけど、いずれにしろネットで合法にガッキーが見られる。すごい。かわいい。合法ガッキーかわいい。スマホからは専用アプリがないと見られないというクソ仕様ですが、ガッキーのためなら専用アプリを落とすのも吝かでないぞ! ぞ〜! という意気込みでPCで見ました。あわよくば、わしも感想でも書いたり読ませたりしちゃろ〜って。それで見ましたけど、これガッキーかわいい以外の感想なんてないでしょ。あるけどいらないでしょ。ガッキーでしょ。なんというかもうガッキーが動いてる! ガッキーがちゃんと生きてる! それをこの目で見てる! ありがとうガッキー! ありがとうブロードバンド! という動画でした。なんかドラマ? っていうのにはストーリー? っていうのがあるらしいんですけど、ずっとガッキーを見ていたのでよく覚えていないんですがその点は実は原作の漫画を読んだことがあるので多分大丈夫でしょう。たしか網戸からかわいい女の子が突然入ってきてなぜか一緒に暮らすことになって主人公が能力に目覚めて地球を救う話だったと思うけど、最後は月に帰っちゃうんじゃなかったかな。それで翌朝目が覚めると何もかも元通りで、ああこれは夢だったんだって、俺は37にもなって童貞でデートも一度もしたことなくて寂しさと惨めさのあまり脳が作り出した幻だったんだってカーテンを開けると部屋がいつもより明るい! 100ルクスくらい明るい! 夢じゃなかった! ありがとうガッキー! 網戸を通り抜けられるサイズのガッキーかわいい! 俺はこれからも1人で生きていくよーガッキーーー! なんならもうガッキーがただひたすら家事をしているだけのドラマでもいい気がしてきた。以下はそれ以外の感想です。

  • ガッキーかわいい
  • かわいさのあまり動悸がとまらない
  • 石田ゆり子の部屋がFrancfrancの売り場にしか見えない
  • 漫画とイケメンの傾向違くない?
  • 男の部屋はモデルルーム風。ペンダントライト多すぎ
  • フジテレビの放送禁止を思い出すドキュメンタリーパート
  • 石田ゆり子美人すぎる。漫画はもっとおばさんぽかった。
  • 真野ちゃんかわいい
  • ガッキーかわいい
  • 男のズボン青すぎ
  • 会社に一番近いコンビニがNEWDAYSなのかな
  • 黄色いニットのTシャツの破壊力
  • ガッキーのスマホに貼ってあるシール何?
  • ガッキーの「萌える」が男目線では全くわからないけど、たぶんリアリティがあるのだろう。いい
  • この歳でモデルルーム風デザイナーズマンション(おそらく持ち家)に住んでる男ならそこは霧ヶ峰じゃなくてダイキンでしょ
  • 石田ゆり子はジュークよりもムラーノ乗ってそう
  • 館山でリーフかー
  • ガッキーかわいい

 来週も見たいです。ただこの漫画ひとつだけ許せない場面があって、みくり夫妻の家に遊びにきた同僚の沼田が寝室のドアを勝手に開けるっていうシーンなんですけど、予告見るに多分来週は古田新太がそのシーンをやるんでしょう。あのシーン以降に周りの人たちが「この夫婦なんかおかしいぞ?」と疑念を持ち始める流れになる、そのために挟み込んだシーンなんだろうけど、寝室はもちろんのこと人の家のドアを許可なく開けるの最悪だし普通に死ねって思った。あのシーン以降、沼田がゲイとか関係無しに普通にただの気持ち悪いおっさんにしか見えなくなった。このドラマがどういう筋書きを辿るのかは知りませんが。

手間をかけないパンと、筋肉痛になるピザ作り

オーブンを購入してから、週に2、3個ほどパンを焼いている。
私が焼くのは主食用のシンプルなパンで、主に朝食や子供のおやつとして食べている、非常に手間のかからないパンである。
目指しているのは炊飯器で米を炊く程度の簡単さ。材料は小麦粉と水、砂糖、塩、イーストのみを使用したバゲットのようなハード系のパンである。最近はこれに芥子の実を入れることもあるが、とにかく簡単であり、半分寝ていても酔って帰ってきても作ることができる。

極力手間を抑えるための工夫として、

  • 捏ねない
  • 寝かさない
  • 発酵は1時間
  • 成形しない

など一般的なパン作りの工程を省略している。

このことにより、

  • 生地は捏ねずにボウルの中でヘラで混ぜるだけなので、洗い物が少なく手も汚れない。
  • 寝かせたり、発酵に時間を取らないので出来上がるまでにかかる時間は準備を含めて1時間半程度。
  • 成形はしないので打ち粉をする必要がない。片付けが楽。

などのメリットがある。

さすがに無洗米ほどとはいかないが、米を研いで炊飯器で炊くレベルの手軽さは実現しているんじゃないかと思っている。それでいて見た目はともかく味は売っているパンに負けないパンを焼きたてで食べることができる。特に食パンなど柔らかいパンよりもバゲットなどのハード系のパンが好きな私にとっては自宅で食べる分には十分な仕上がりになっている。しかも1個あたりの原料費は80円程度である。

作り方はこちら。
shohei.hatenadiary.jp
















話は変わり、昨日ピッツァを作ってみたが、まず20分以上全力で捏ね続けなければならない上に、発酵に6時間以上、トマトソースを作り、具材を揃えて、更に生地を伸ばして成形し、となにからなにまで手間がかかる。とても美味しかったが出来映えとしては60点といったところでまだまだ改良の余地がありそう。そして今日は肩から腕にかけて筋肉痛である。

日清 パン専用小麦粉 2kg

日清 パン専用小麦粉 2kg

保坂和志の新刊が出る


 2016年10月、『遠い触覚』以来約1年ぶりとなる保坂和志の新刊『地鳴き、小鳥みたいな』『試行錯誤に漂う』の2冊が、講談社みすず書房からそれぞれ発売されることが6日わかった。(私が)

 『地鳴き、小鳥みたいな』は、群像2016年4月号に掲載された同名の小説を含む短編集らしいが詳細は不明。新潮2016年5月号掲載の『キース・リチャーズはすごい』は収録されるのだろうか、それとも出版社が違うからされないのか。

地鳴き、小鳥みたいな

地鳴き、小鳥みたいな


 『試行錯誤に漂う』は、みすず書房のPR誌「みすず」に連載されているエッセイをまとめたものと思われる。個人的にはこちらを是非読みたい。それからおそらくこの本とは関係ないけれど、別の雑誌でカフカの『城』について保坂和志が書いていたのがまだ途中だった気がするのであれの続きも読んでみたいからどこかで書いてくれないかなぁ・・・・・・

「僕はとにかく国語的にはだめでも、ちゃんとイメージを伝えたい」――書くこと、考えることの自由を体現する小説家の最新エッセイ。
近刊情報 : みすず書房

試行錯誤に漂う

試行錯誤に漂う


 また保坂和志のホームページによると新刊の発売にあわせて本日7日15時より講談社にてトークイベントが行われるらしい。こちらは既に満席となっているが、トークの模様は動画で後日配信される予定とのこと。

追記

カバーができたそうです

追記

10月7日のトークの様子がyoutubeにアップロードされました。
www.youtube.com

はてな題詠「短歌の目」第十一回9月

短歌の目第十一回9月お題です - はてな題詠「短歌の目」
お久しぶりです。2016年9月の日本からお送りします。


1. 星
期待した人が勝手につけてった星がどんどん奪われていく


2. 吹
吹くなその風は腐敗と発酵の境界も曖昧にするから


3. はちみつ(蜂蜜、ハチミツも可)
こんにちは1リットルのはちみつと交換したい妹の声


4. 川
葡萄虫握る掌川石斑魚ペットボトルの水槽の中


5. 秋刀魚
夢で見た秋刀魚の群れが新潟の水槽にいる夏の思い出


6.テーマ詠 秋
牡蠣食べたい。それ以外は特に言うことはない。


以上です。

寿司

 いまの家に引越す前に住んでいた町の、小さな寿司屋に久しぶりに行った。もう2年ぶりくらいかなー。子供が生まれて、引越して、しばらく行くことができなかったけれど、ようやく外食もできるようになった。今回は子供も連れて家族3人、子供がいるので予約して夕方の開店と同時に入店する。客の少ない時間帯で店もとてもよくしてくれたのでよかった。この日は光り物が酢締めしか置いていなかったけれど、どれも美味しい。
f:id:shoheiH:20160927004306j:plain
 以前のように日本酒を何合も飲んだりするような飲み方はできないけれど、また来たい。

映画『君の名は。』感想

映画『君の名は。』公式サイト
君の名は。』を見た。総合的には見てよかった、けれどこれが大ヒットと聞くと、そこまでかなぁ・・・という印象だが、それはおそらくこの映画がメインのターゲットとしているだろう中高生と自分の感覚がそれだけ乖離しているということなのかなー。いやホントにそうかなー。わかんねえなー。でも仮に自分が高校生だったとしても、1回1500円近くする料金を払ってこの映画を2回以上見るか?絶対に見ないと思った。高校生なんてなけなしの小遣いから60円のハンバーガーと水で腹を満たしてるような生活ですよ。しかし劇場には祝日と土曜に挟まれた金曜の午前10時40分開始の回というのに中高生が多かった。上映中も、映画の笑うポイントだったり、曲に合わせてノったりする周りの観客に気が散ってしまった(これは私が1曲も知らない所為でもあるが)ので、やはりDVDが出てから家で見ればよかったのかしら。町中が停電してるときにBGM流すな!やかましいわ!ストーリーについてはネットでは色々とツッコミが目立つけれど、そもそもファンタジーでオカルトな話なので超常現象や超能力を使ってありえないことが起きていてもそれほど気にはならなかった。とはいえどうしても引っかかってしまったのは、この話の一番のキモである「三葉とタキはどうやって糸守町を救ったのか」の一番肝心な部分が省略されてしまっていたことだった。変電所爆破からの防災無線ジャックによる校庭への避難という当初の計画は失敗し、結局三葉の身体に戻った三葉が父親である町長のもとに向かう訳だが、そこから先は丸々カットされて、エピローグで「偶然にも防災訓練が行われ・・・」とかなんとか書かれた週刊誌が映るのみ。おいおいそこが一番重要なポイントだろ!そこは観客が想像で補えってことなのか。寝たら入れ替わるとか、起きたら名前を都合よく忘れるとか、携帯のメモが目の前で消えていくとか、口噛み酒を飲んだら気合いで入れ替わりができるとか、そういうのはもう「そういう世界なんだからそういうもんだ」で受け入れてきたけど、まさか住民を避難させるのに超能力を使った訳じゃないんだろうからそこは見せてくれよ。見せてくれ〜!正直数年後に2人が会おうが会うまいがどうでもいいよ〜!そりゃあ会えないよりは会えた方がいいけど上手くいくかなんてわからんし、そりゃあ40とか50になって再会するよりまだ若いうちに再会できた方が可能性あるけどどっちでもでもいいよ〜!しかも同い年かと思ってたらタキの方が3つ上でこれ仮に付き合っても社会人の彼氏と大学生の彼女で時間合わなくてダメになるやつや〜!*1ゼネコン仕事キツそう〜!何が「地図に残る仕事」だ隕石なんか降らなくったって60年もすれば殆ど建て替えじゃ〜!三葉かわいい!四葉ちゃんもかわいい!山きれい!新宿ばっか!また新宿!なに?岐阜とか山梨の人は東京と言えばどうせ新宿西口の高層ビル群をイメージするでしょ?みたいなこと?変電所爆破したあとのテッシーの気持ち完全に「頼むから隕石落ちてくれ〜!」だよなー最後の台詞「君の名は」じゃなくて本当によかった〜!エンドロールまでずっと上石神井さんだと思ってました!以上です。

*1:逆?三葉の方が年上か

ナコルル問題に関する嘆願書のエントリーが修正されたようです。(前回の続き)

 前回の記事を公開してから程なく、記事の中で指摘した部分について元のエントリが修正されています。まだ嘆願書のご提出はされていなかったのでしょうか、ご修正が間に合いなによりです。あの内容のまま受け取っていたら先方も困惑していたことでしょうから。

 ところで元のエントリの追記という形でこちらのエントリが公開されています。
kutabirehateko.hateblo.jp


 なお、私及び私の投稿した前回のエントリに対しては、いまのところくたびれはてこさんから特にリアクションもなく、また上記のエントリでも直接の言及はないため、くたびれはてこさんが私のエントリを読んで頂けたのかはわかりません。
 また、「まとめて返信」というタイトルからもわかるように、私のエントリに向けて書かれたものではない表現も多数見受けられます。従って、これを前回の私のエントリに対する反論として扱うことはできないのですが、エントリの中に私が指摘した内容について一部書かれていることや、指摘した箇所が元のエントリでは修正されたという事実を踏まえ、ここから先はくたびれはてこさんが前回のエントリをお読みいただけたものと勝手に推定し、一人相撲で部分的補足をさせて頂きます。認識に誤りがあればご指摘ください。

ゲーム開発会社の住所について

SNKプレイモアの住所がない

ただのコピペ忘れ。なので本文中には吹田市と出てくる。

 これについては私の見落としでした。確かに本文中に"大阪府吹田市"との記述があります。失礼しました。

大阪市条例の引用方法について

大阪市ヘイトスピーチ対処に関する条例」が一部削除されている

削除ではなく一部引用。ただでさえ長いエントリーなので該当箇所だけ掲載。

 元のエントリでは、条例に該当するかどうか判断する上で最も重要な条文(ここでは第2条第1項(1)の「次のいずれかを目的として行われるものであること(ウについては、当該目的が明らかに認められるものであること)」)を、引用する際に書いていません。逆にここを記載してしまうと該当していないことが明らかであるため「該当箇所だけ掲載」とは言えません。
 このようにある部分を書かないことによって意味の変容を惹起する引用の仕方をもって私は「削除した」と判断しました。別に「一部引用した」でも構いませんが意味に大きな違いはないと言っていいでしょう。

 まあこれについてはしっかり引用する形で修正されているのでいいのですが、前述の通り条文が正しく引用されたことで、今回のケースがこの大阪市条例の規定に該当しないことがはっきりとわかるようになってしまいました。これでは先方も困ってしまいます。

 もう一度「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の条文を見てみましょう。

(定義)
第2条 この条例において「ヘイトスピーチ」とは、次に掲げる要件のいずれにも該当する表現活動をいう。
 (1) 次のいずれかを目的として行われるものであること(ウについては、当該目的が明らかに認められるものであること)
  ア 人種若しくは民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人により構成される集団(以下「特定人等」という。)を社会から排除すること
  イ 特定人等の権利又は自由を制限すること
  ウ 特定人等に対する憎悪若しくは差別の意識又は暴力をあおること
 (2) 表現の内容又は表現活動の態様が次のいずれかに該当すること
  ア 特定人等を相当程度侮蔑し又は誹謗中傷するものであること
  イ 特定人等(当該特定人等が集団であるときは、当該集団に属する個人の相当数)に脅威を感じさせるものであること
 (3) 不特定多数の者が表現の内容を知り得る状態に置くような場所又は方法で行われるものであること


大阪市市民の方へ 「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」について

 上記の通り、条例ではヘイトスピーチの要件として、次のいずれかを目的として行われるものとしています。

  • ア 人種若しくは民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人により構成される集団(以下「特定人等」という。)を社会から排除すること
  • イ 特定人等の権利又は自由を制限すること
  • ウ 特定人等に対する憎悪若しくは差別の意識又は暴力をあおること

 前回の記事でも指摘した通り、今回のケースでは上記ア~ウのいずれもその目的があったとは認められず、従って条例の定める「ヘイトスピーチ」にはあたらないと解することが妥当です。

 もちろん、

大阪市の条例に該当するからヘイトスピーチだ、該当しなければそうではないということではなく、定義を理解してもらうための参考例。

 はい。条例に該当しなければヘイトスピーチではないということではない、というのは当然です。

 ですが、くたびれはてこさんは、"「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の以下に該当する明白なヘイトスピーチ"と言うのですからそれを説明するべきでしょう。条文を貼り付けただけでは説明したことにはなりません。少なくとも今回のケースに第2条第1項(1)ア〜ウのいずれかの目的があったとする反論があると思います。
 でなければ該当しない条例をわざわざ参考例として持ってくるのは不自然です。

 繰り返しますが、大阪市の条例に該当しないからといってヘイトスピーチではないということにはなりません。ここは大阪市条例ではなく、よりふさわしい論拠を持ってくるのが適切だと私は思います。

ヘイトスピーチの法規制について

法を動かさなきゃならなくなったんだということが、今回の件でよくわかった。

 私もヘイトスピーチの法規制には賛成します。差別は絶対に許してはいけません。
 一方でヘイトスピーチ規制法の制定にあたっては、くたびれはてこさんが紹介されている『ヘイト・スピーチとは何か』(師岡康子著.2013.岩波書店)でも取り上げられている通り、その濫用の防止も考慮しなければなりません。

 濫用防止のための工夫を
 ラバト行動計画(2章1節参照)も、濫用の問題を指摘しつつ、最も憂慮しているのは、本来の意味でのヘイト・スピーチが訴追も処罰もされずにいることである(ラバト行動計画II-11)。そこで濫用を防ぎつつ適正な規制がなされる様、国内法で「差別」などの用語の明確な定義を行い、規制要件が過度に狭すぎたり、曖昧であったりしないよう求め、また、法律の内容のみならず、司法がその法律を適用する際、濫用を防ぎ、かつ適切な規制がなされるよう、具体的な注意事項を挙げて勧告している。
 人種差別撤廃委員会勧告三五も刑事制裁の正当性、公平性と必要性の原則に加えて、スピーチの内容と形態、発言者の地位、スピーチの目的、範囲、方法など様々な要素を検討して、規制する対象を正確に定めるよう勧告している。各国も濫用を防ぐ様々な取り組みを重ねており、その経験から学ぶべきであろう。


(168頁7行目-169頁2行目)ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

 日本では、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(いわゆるヘイトスピーチ規制法)が本年6月3日に施行されました。ここに条文を一部抜粋します。

(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。

 この法律では「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」*1をこのように定義しており、事実上日本国内の出身者、つまりアイヌなど少数民族を対象から外していると読めるなど、まだまだ課題が残されています。この点においても議論が進んでいくことでしょう。


 一人相撲としては以上です。


ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

*1:普通にヘイトスピーチとすればいいのに、なんでわざわざわかりにくい用語を生み出すのか。法務省はホームページやパンフレットではヘイトスピーチと使っているクセに